『ぼくの命は言葉とともにある』

福島智さんの本を読んだ。

どうしてなんだろう。
こんなにも深い理解力と洞察力。
ゆったりとした成熟感。

よく整頓された精神から
紡ぎ出される表現は
心のヒダまで嘘がなさそうで

まるで、丁寧に作られ
程よい味付けがなされた食べ物のように
すうーっと身体に沁み渡るかのよう。

障害を持つことで
人間的に成熟しやすい、
とも考えられるけれど

視覚のない方々はしばしば
他の障害と比べても
感受性が格段に鋭敏な印象を受ける。

著者の福島さんは、
さらに聴覚まで途中から失われて。

きっと、もう思索の量と質が
圧倒的なのだ。

苦悩は計り知れないし
テーマは極めて真面目だし
固くなりそうなのに
その文体はユーモアたっぷりで
人柄を身近に感じられるところが魅力。

それらの教養は
たくさんの読書からだという。

彼に影響を与えた、素敵な引用が
たくさん散りばめられていて
その一つ一つが興味深い。

読書が心を豊かにするってことを
わかりやすく証明する、
とっても良いサンプル。